本院は、特定行為研修指定研修機関として厚生労働大臣から指定を受け 2020年度から徳島県内の看護師を対象に看護師特定行為研修を開始しました。 本院は特定機能病院であり、高度急性期医療におけるチーム医療の充実、 また、地域医療を支えていく看護師の育成を目指し、研修の実施並びに 臨床での特定行為実践を行っています。
徳島大学病院看護師特定行為研修センターでは、2020年度より看護師特定行為研修を開始しました。 特定行為は、診療の補助であり、看護師が手順書により行う場合には、実践的な理解力、思考力及び判断力並びに高度かつ専門的な知識及び技能が特に必要とされる行為とされています。そして、チーム医療のキーパーソンである看護師が、患者および国民、ならびに医師やその他の医療関係者から期待される役割を十分に担うため、医療安全に配慮し、医療現場において、高度に臨床実践能力を発揮できるよう、自己研鑽を継続する基盤として、看護師特定行為研修制度が2015年度から開始されました。この研修を修了したのちには、医師の指導・管理の元、看護師が特定の医療行為を実施することが可能になります。
徳島大学病院においても、医療現場からの期待に答えるため、厚生労働省に申請し承認を受けて2020年度より看護師特定行為研修を開始し、募集を開始しました。2020年度には定員5名、特定行為区分が8区分のところ、徳島大学病院および県内の病院から合計6名の応募をいただき、全員採択されました。2021年度には、定員を合計10名とし、領域別パッケージ研修として術中麻酔管理領域、救急領域、外科系基本領域の3領域を選択可能としました(定員各3名)。また、コース研修として創傷管理コース、血糖管理コースの2コースを選択可能としました(定員各3名)。さらに、区分研修として昨年の8区分から15区分に増やしました(定員各3名)。また、これらの領域、コース、区分を組み合わせて選択することが可能となっています。合計7名の応募があり、全員採択されました。
徳島大学医歯薬学研究部および徳島大学病院の先生方をはじめ、大学外の先生方にもご協力いただき、この研修制度を修了した看護師が各病院において特定行為を実施する予定です。多職種の連携により高度で安心な医療を提供することが可能になるものと期待されます。
泌尿器科 教授 金山 博臣
当院は、高度急性期医療を担う特定機能病院です。複雑な合併症を有する多くの高度急性期患者さんが入院しています。急性期分野では、多様な臨床場面において患者さんの状態は変わりやすく、急性期分野の各診療科で、病態生理・臨床推論・身体診察などのフィジカルアセスメント能力を高め、より高い知識技術を備えたうえで看護実践が行える看護師の育成が求められています。
徳島大学病院看護師特定行為研修センターは、2020年5月に開講いたしました。延べ13名の特定看護師が誕生し院内外で活躍しています。本研修では、チーム医療のキーパーソンである看護師が、医療安全に十分に配慮し、医療現場において、高度に臨床実践能力を発揮できるよう、自己研鑽を継続する基盤を構築しています。研修は、「術中麻酔管理」「外科系基本」「救急領域」の3つ領域別パッケージ、「創傷管理」「血糖管理」の2つのコース、15の特定行為区分といった受講生のニーズに応じて、希望に沿った形式で開講しています。本領域は、当院の強みを活かした教育体制を構築できます。良き理解者である多数の先生方の熱意とご協力を頂きながら研修を実施しています。また、特定行為研修修了生から専門性の高いサポートを受けることができます。受講生のスキルアップやキャリア支援だけではなく、研修修了後の患者さんに対するきめ細やかなケアによる医療の質の向上、他スタッフへ指導を行うことのよる波及効果などメリットがたくさんあります。一人でも多くの看護師の皆様に当院の看護師特定行為研修に興味を持って頂けるとありがたく思います。
私達は、徳島大学病院看護師特定行為研修センターで、看護と医学の両方の視点を持った新たな看護のプロフェッショナルを育成できることを誇りに思い、皆様や、所属病院の高い志に添えるよう環境を整えてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
看護部長 上田 美香
看護師特定行為研修センターは、研修室とミーティング室があり、研修や面談などいろいろな用途に沿って使用しています。 また、研修室には、受講生が個別にいつでも学習できるよう、WiFi環境下でパソコンを設置するなど、利便性を考慮しています。 さらに、センター前に掲示板を広く確保して、ポスターなどで特定行為研修についての広報を行ったり、大学のスキルスラボと連携をとり、リアリティの高い実習ができるよう学習環境を整えています。
徳島大学スキルスラボと連携し、それぞれの特定行為に応じて、必要なシミュレーターを準備しています。 単なるスキルのトレーニングだけでなく、行為に伴う全身のアセスメントや高度な臨床判断力を養うことを重要視した シミュレーターの活用を心がけ、質の高い特定行為実践能力の向上をサポートしています。